金利は経済を考える上でも、身近な住宅ローンの仕組み等を知る上でもとても重要な知識です。
でも、どこかで習うわけでも無いし、意外とわかっていないことも多いかと思います。
金利の仕組みを学ぶ事で、今後の人生にも大いに役立つ内容です。
というわけで早速「金利の仕組み」をみていきましょう!
動画では10分でわかりやすく解説!
Contents
金利とは何か?
金利とは何か?
簡単に言うとお金を貸し借りした時のレンタル料のことです。
それを%(パーセント)という表記で表します。
金利の大枠を理解するためには銀行の視点からも考えてみると理解しやすくなります。
それを踏まえた上で、お金を「貸す場合」「借りる場合」というケースをみてみましょう。
お金を貸す場合
銀行にお金を預けるというのも、実は個人のお金を銀行に貸していると言えるのです。
だから、お金を貸すレンタル料として利息がつくというわけです。
例えば銀行に100万円を金利1%で預けたら、1年後には101万円になります。
100万円を金利2%で預けたら、1年後には102万円になります。
ちなみに1990年頃の普通預金の金利は6%ありましたが、今の金利は0.001%しかありません。
100万円を預けて1年後にもらえる利息は10円だけ、という事になっています。
お金を借りる場合
カードローンなどでお金を借りる行為もそうですし
一般的なもので言うと住宅ローンもお金を借りるという行為です。
例えば住宅を買うときに銀行にローンの相談をすると
「金利は年率1%で35年貸し出しますよ〜」などと言われます。
お金を預けた時は金利が0.001%しかつかないのに
借りるときには1%とられるのです。
歴史的な超低金利と言われている昨今でも、借りるときと貸すときにはこれだけの差があるのです。
貸し借りで金利の差が大きい理由
お金の貸し借りでここまで金利が違う…それは一体なぜなのでしょうか?
実は、この金利の差こそが、銀行が儲けるためのビジネスモデルとなっているのです。
銀行側の視点に立った場合
低い金利で借りて、高い金利で貸し出す、その利鞘が利益となるわけです。
銀行のメイン業務は、ATMとか窓口で発生する手数料よりも、このお金の貸し借りによる金利の差の利益となっています。
金利はどうやって決まるのか?
金利はどのようにして決まるのでしょうか?
それは主に「需給バランス」で決まります。
お金を借りたい人が沢山いるとき
「家を買いたい」「車を買いたい」「会社の設備を整えたい」など
お金を借りたい人がたくさんいるときには金利が上がります。
そんなに借りたいなら、この条件だったら貸し出しても良いけどどうする?
と銀行は強気になれるわけですね。
利息制限法
お金を借りたい人が多い状態だとお金を貸す側の立場の方が強くなりますよね。
そうなると金利を好き勝手に上げてしまうことも出来てしまいます。
だからそれを抑えるために利息制限法という法律があり、金額に応じて金利の上限が決められています。
この上限を上回るけど29.2%以下で貸し出している金利をグレーゾーン金利と言います。
よくテレビCMなどで過払い金が返ってきますと言っているのは、この金利の超過部分のお金のことです。
お金を借りたい人が少ないとき
お金を貸して欲しい人が少ない時には金利は下がります。
強気だった銀行も、貸して欲しい人が少ない時には
「こんなに良い条件だからお金を借りてみませんか?レンタル料は今ならこんなに低いですよ〜。」と言う弱気な状態になっていくわけです。
このように貸し借りの需給バランスで金利は決まっていきます。
国債金利とは何か?
先ほどご説明したように、 お金を借りたい人がいない場合に銀行は利益が出せません。
そんな時、毎年お金を貸してくださいと言っている巨大なある組織があります。
それはどこか?日本政府です。
銀行からしたら、個人や企業に貸し出すよりもなんだか信用できそうですよね。
それに、個人とは比べ物にならないくらい大きな金額を貸し出すことができるので
銀行にとっては信用できて、大きな金額を貸すこともできるという極めてありがたい貸し出し先ということになります。
この国へお金を貸し出しましたよ〜という証明書が「国債」と言われているものです。
国債金利はどうやって決まるのか?
この国債の金利も需給バランスで決まります。
民間銀行にお金を貸し出す相手が沢山いる時は儲かっています。
国債をそんなに買わなくても十分な利益があるので
「そんな金利の低い国債ならいりませ〜ん」となるわけです。
だから国債の価格が下がり、金利が上がることになります。
逆に国債を買いたい人が多い時には価格が上がるので、金利が下がります。
金利が世の中にあたえる影響
金利は様々なところへ影響を与えています。
ここでは実際にどのような場面に影響を与えるのかを金利用語と共に見ていきましょう。
長期金利とは何か?
長期金利とは1年以上のお金を貸し出す際に適用する金利のことです。
これは、主に「10年物国債」の利回りのことを指します。
この10年物国債というのが長期金利の代表的な指標になっているのです。
長期金利の動きは、住宅ローンの固定金利やフラット35といった金利にも大きな影響を与えます。
これから住宅を購入する予定など、住宅ローンをチェックする時に知っておくと良い指標となります。
繰り返しになりますが、国債はマーケットで売り買いされていますから、受給バランスで価格が変動します。
買いたい人が多ければ金利は下がり、買いたい人が少なければ金利は上がります。
短期金利とは何か?
短期金利とは、期間が1年未満(数日~数ヶ月程度)に適用する金利のことです。
代表的な指標が無担保コール翌日物金利(むたんぽこーるよくじつものきんり)です。
この辺りで画面を閉じたくなる方も多いかと思いますが、名前は流してもらっても特に問題ありません。
概要を理解することが大切です。
無担保コール翌日物金利とは?
無担保コール翌日物金利とは金融機関だけが参加する市場での金利のことです。
金融機関というのは、日銀に一定の金額を預けておくことがルールになっています。
これを法定準備預金と言いますが、事情によってこの準備預金が足りなくなってしまうことがあるんです。
その時に他の金融機関からお金を短い期間だけ借りることが出来ます。
コールですから、その名の通り呼べばすぐに答えてくれる時の金利というものです。
ちなみに無担保コール翌日物金利は「短期プライムレート」と強く関連します。
これは銀行がプライムつまり優良な企業へお金を貸し出す際の金利のことです。
この短期プライムレートが住宅ローンの変動金利の指標にもなる金利ですので、知っておいて損はないかと思います。
長・短期プライムレート(主要行)の推移 2001年以降
https://www.boj.or.jp/statistics/dl/loan/prime/prime.htm/
政策金利とは何か?
先ほどご説明した短期金利は
日銀が目標となる金利を設定し、その水準へ誘導しています。
その金利のことを「政策金利」と言います。
この政策金利によって、銀行は民間への貸し出し金利などが大きく変わります。
長短金利まとめ
長期金利と短期金利の話を簡単にまとめます。
長期金利は、10年物国債の需給バランスで金利が決まります。
短期金利は、政策金利に大きく影響を受けて決まります。
イールドカーブ?逆イールドカーブ?解説
景気の見通しを判断する際によく使われる「イールドカーブ」の説明をします。
長期金利と短期金利を比べた場合に通常であれば長期金利が高くなります。
それは、長い期間お金を借りるのだから、その間にある価格変動など
様々なリスクに見合った金利が必要だよねという意味があるからです。
お金を貸している間は、手元に現金がないので何かを買ったりもできませんので当然の考え方でもあると思います。
これをグラフにすると右肩上がりの曲線を描き、先ほどの図のようになります。
しかし!
市場が将来金利が下がるだろうと考える場合には
短期金利よりも、長期金利の方が金利が低くなることがあるのです。
これが逆イールドカーブと呼ばれているものです。
この逆イールドカーブが発生するのは景気後退のサインと言われているので
多くの投資家が昔から気にしているポイントでもあります。
逆イールドはどうして注目されるの?|第一生命経済研究所
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/monthly/pdf/1811_b.pdf
まとめ
今回の金利の内容とそれに派生する経済用語は経済ニュースにもたびたび登場しています。
どこかで目にしたらこ内容をぜひ思い出してみてください。
いままで知らなかった言葉が理解できるようになると、自分でも色々な事を考えられるようになります。
大変な世の中ですが、学ぶことで乗り越えていきましょう(^^)今回は以上です。