コロナウイルスの影響で世界中の経済が混乱しています。
日本でも営業自粛を余儀なくされ、経済へのダメージがジワジワと蓄積されています。
2020年が世界恐慌の始まりなんじゃないか、そんな話すらも出てくるようになりました。
私たちがこれから突入するかもしれない世界恐慌とはいったい何なのか?
簡単にわかりやすく解説していきます。それでは早速やっていきましょう!
動画では10分でわかりやすく解説!
Contents
世界恐慌が起きた経緯
1920年代、世界の中心はヨーロッパという時代です。
フランス、イギリス、ロシアやドイツという国々が覇権が争っていました。
そんな中で起きた第一次世界大戦の舞台がヨーロッパだったということもあり
戦争が終わった直後はダメージが大きく、経済もかなり弱っていました。
そんな中、アメリカは第一世界大戦に途中から参戦したことや
立地的にもそこまで大きな影響を受けていませんでした。
余裕のあるアメリカはヨーロッパの国々へ製品の輸出を積極的に行うことで
経済を発展させていきました。
アメリカ経済が発展していくと、株式市場も賑わってきます。
買った株はどんどん上がるというような活況ぶりで、
もはや借金をしてでも株を買うという状況になりNYダウもかなり過熱感のある相場となりました。
その一方で、時間が経つにつれヨーロッパの経済が回復してきました。
”もうそんなにアメリカを頼らなくても大丈夫だよね”という状況が整ってきていました。
それでもアメリカ株式市場の上昇は止まらず、
1924-29年の5年間でNYダウ平均株価は5倍になりました。まさに倍々ゲームという状況です。
この様子をみた一部の投資家の中には「実体経済と株価がさすがに乖離しすぎているんじゃないの・・・?」と感じる人たちも現れ始めました。
あの有名なケネディ氏の「靴磨きの少年が株の儲け話をしてきたから、この後に株を買う人はいないと考えた」 という逸話はちょうどこの頃の話です。
このやりとりの10ヶ月後くらいには株価が大暴落となります。
それが1929年10月24日の暗黒の木曜日と呼ばれている一連の株価暴落劇です。
株価が持ち直す局面もありましたが、結果的には下がり続ける展開となり
1932年にはNYダウ40.56ドルを記録しました。
これは高値から89%以上の下落となっており、まさに大暴落です。
日経平均で言うと20000円くらいのところから、2000円になるくらいのインパクトです。
資産家であっても運用していた資産がほぼ吹き飛ぶレベルですから、この衝撃は測り知れません。
株価暴落からくる不況が全世界に広がり、それが1933年まで世界中で続いたことを「世界恐慌」と言います。
世界恐慌になるとどうなるの?
株価が下落するのはわかったけど、株持ってなかったら関係ないじゃんと思う方もいらっしゃるでしょう。
そこで、世界恐慌になると一体どんなことが起こるのか解説をしていきます。
失業率の上昇
まず、失業率が上昇します。
世界恐慌時にはアメリカの失業率は25%になりました。
4人に1人は職が無いという状況です。
あなたと友達3人のうち誰か1人は失業している、そんな世界です。
想像するとなかなかに厳しいことが感じられますよね。
(ちなみに現在の日本の失業率は2.4%です。)
労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)2月分結果
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
ただ、ここでも「失業率が上がるといっても、僕は安定した企業に勤めているしあんまり関係ないかな〜」と考える方も多いかと思います。
しかし、他人事ではありません。
失業率が上がると、それにつられて恐ろしい事態になるのです。
それは何かをみていきましょう。
失業率があがると・・・
失業率が上がると「自殺」と「犯罪」が増えるのです。
職を失って、住むところや食べるものに苦労するようになると、やはり人間は人生を悲観してしまいますし
人によっては「生きるために他人のことなんか考える余裕なんてあるわけねぇだろ!」となります。
人のものや命でさえも奪うようになってしまう、そんな社会になる可能性が上がるわけです。
実際に日本でもマスクを誰が買うかで殴り合いが起きるくらいですから、犯罪が増えても全くおかしくはないでしょう。
相関係数の高い、完全失業率と犯罪
https://www.secom.co.jp/flashnews/backnumber/20090128.html
失業率とシンクロする自殺率の推移https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/01/post-11515.php
リストラしても耐えられない企業
また、働いている人を大量にリストラしても、それでも耐えられない企業が出てきます。
その場合はどうするかと言うと、もちろん給料がカットされることになります。
アメリカでは実際に世界恐慌の前後で、給料が35%減少したと言われています。
例えば月収30万円の人なら、月収20万円くらいになるイメージです。
こうなるとローンの返済ができなくなったり、子供の学費が払えないなど
普段の生活ができなくなってしまう人も多いのではないでしょうか。
ただ、もう90年くらいも前の話ですから
今はもう関係ないんじゃね?と思う方もいらっしゃるかと思います。
世界恐慌レベルまではいきませんでしたが、直近の不況でいうとリーマンショックがありましたね。
リーマンショック時の影響
アメリカと日本の経済は近年になって、より強く連動するようになりましたから、リーマンショックは日本にも大きな影響がありました。
日経平均株価は2008年から2009年の間になんと51.3%も下落しています。
もう記憶からも消えかかっているかもしれませんが日経平均株価の当時の最安値6994円です。今の株価から考えたら半分以下です。
それがつい10年前に起きているのです。
だから、世界恐慌というのは決して歴史上の昔話ではなくて実際に自分が当事者になるものなんだと思っておくべきなのではないでしょうか?
2020年は世界恐慌になるのか?
それでは最後に世界恐慌は起きるのか、コロナウイルスによる世界経済の考察をお伝えします。
直近の不況はリーマンショックというお話をさせていただきました。
リーマンショックは名前の通り「金融危機⇒実態経済」という順番でダメージが波及したという流れでした。
しかし今回のコロナウイルスは、人やモノの行き来が遮断されるという事態に陥っており
実体経済そのものが直接ダメージを受けているという状況です。
なので、経済へのダメージはリーマンショックを大きく上回ると言われています。
世界はマイナス3%成長
実際に、次のようなニュースが出てきました。
”世界はマイナス3%成長 IMF予測「大恐慌以来の悪化」”とのことです。
マイナス3%成長というのは世界経済から500兆円以上が失われるという事です。
もはや大きすぎて現実味の少ない数字にはなりますが、
いま世界恐慌以来の経済危機に直面しているという事です。
世界はマイナス3%成長 IMF予測「大恐慌以来の悪化https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58036520U0A410C2MM8000/
世界の経済成長率ー3% 世界恐慌以降で最悪https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200415/k10012387631000.html
世界恐慌の予兆
経済をストップさせているスペインでは若年層の失業率が50%を超える可能性が出てきました。
インドのムンバイでは大量の失業者達が生まれたことで暴動が起きています。
そして、何より恐ろしいのはコロナウイルスのこの先の展開がどうなるか未だにわからないということです。
感染が長引くことになれば、世界恐慌を上回るような状況になってもおかしくはありません。
日本でも今、飲食店や旅行、タクシー会社など次々と倒産する会社が出てきました。
「新型コロナウイルス」関連倒産状況
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200417_02.html
大企業も製造を止めて休業を発表しています。
このまま政治家がうまく立ち回ることができなければ、日本経済が完全にクラッシュする可能性すら孕んでいます。
本当に今がその分水嶺と言って過言ではないでしょう。
まとめ
世界が、日本がどうなるのかの分水嶺と申し上げました。
だからこそ感染による健康被害を増やしてはいけませんし
それを乗り越えた先にも、経済がどうなっていくのか真剣に考える必要があるわけです。
私たちは今ギリギリの状況なんだと、そういうことを改めて知った上で、
外出の自粛など、自分の行動の責任が一人一人に問われている状況です。
世界恐慌の具体的な話をすると結構煽りがある内容だと感じられるかもしれませんが、
最悪のパターンを知っておくこと、想定しておくことは それに対して準備ができますから、決して悪いことではないと僕自身は考えてこのブログを執筆しています。
少しでもお役に立てたら嬉しく思います。
今回は以上です。