ニュースでも連日取り上げられているように、米中の対立が激化していますね。
アメリカと中国の世界の覇権争いという面だと、実はAIIBの動向なんかも目が離せませんよ。
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AIIBとは何か?
AIIBとは、中国主導でつくられた国際金融機関のこと。
アジアインフラ投資銀行(Asian Infrastructure Investment Bank)と言います。
略称がAIIB(えーあいあいびー)となります。
金融機関ですから、お金を集めて利子を付けて融資をします。融資先が事業を行って儲けた分から、利子を回収するというスキームは銀行等の金融機関と同じです。
中国の習近平国家主席が設立を提唱し、本部は北京、総裁は中国政府元高官。
最大出資国も中国という、中国色の強い金融機関。
AIIBの設立理由は?
AIIBは、アジアの開発を目的として融資やアドバイスを行う金融機関です。
資金不足に悩むアジア諸国に対し、鉄道や港、空港や発電施設などのインフラ設備に対する開発支援を目的に設立されました。
そういう機関はもうあるんじゃないの?
アメリカ主導のIMF(国際通貨基金)や、日米主導のADB(アジア開発銀行)といった機関があります。
それぞれ、自分たちが主導してきた機関があるわけですから、新たにAIIBを立ち上げるぞ~!と言ってもアメリカや日本は快く思わないわけですね。
逆に言えば、中国はアメリカや日本主導の機関に不満があるから、新たにAIIBを立ち上げたという事でもあります。
議決権の85%は出資比率に応じて、12%は全加盟国、3%は創設メンバーに分配されます。最重要議案の採決には75%の賛成が必要になります。
中国は50%近い議決権を保有していると言われているので、事実上の拒否権を持っているのは中国だけ…ということになります。
AIIBのメリット
AIIBのメリットとして審査がゆるい、早いということが言えます。
審査がゆるい
審査がゆるいということは、今まで融資してもらえなかったような発展途上国もお金を出してもらえる可能性があるということで、応募もたくさんくることになります。
そういう意味では、融資先に困ることは無いと言えますね。
審査が早い
日米主導のADB(アジア開発銀行)に比べると、審査の決定が早いです。
それはアジアのインフラ整備という急務にスピード感を持った対応ができるというわけです。
AIIBのデメリット
AIIBはデメリットの側面の方が強いと言われることが多々あります。
お金を回収できない可能性が高い
審査がゆるいということは、返済能力がない国にも融資することがあるわけです。
お金を出資してもらったものの、全く返せるめどが立っていません…という状況に陥る可能性がありますね。
利子が高くなる
審査がゆるいということは、返済能力がない国にも融資することがあるわけですとご説明しました。
融資金の回収にリスクが高い場合には、その分、利子は高くなる傾向にあります。
AIIBから融資を受けたものの、国が成長していかなければ、利子の返済で苦しみ続ける可能性もあるわけです。
中国に都合の良い運用になる
AIIBは中国色の強い金融機関です。つまり中国にとって有利に運用できるシステムになっているわけです。
逆に中国にとって都合の悪い案件などは、他の参加国の責任にされることもあるわけです。
まとめ
中国がアジアの発展途上国に融資をすることでそのリターンを得られそうと考えた国はAIIBに参加を表明しています。
2019年1月時点で93カ国・地域が加盟しているわけですから、その影響力は侮れないものになっています。
その一方で、アメリカや日本という経済大国が不参加のポジションを取っています。
こういった世界の覇権争いは今後ますます激化していきそうなので、勉強が欠かせませんね。
今回は以上です(^^)