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ハイパーインフレの世界!そもそもインフレ、デフレとは?その意味と仕組みからわかりやすく解説!

日本はハイパーインフレになる可能性があるんじゃないのか?

そんな話がちらほらと出てくるようになり

最近何かと耳にするようになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はハイパーインフレになるとどのような世界になるのか?ということをご説明します。

また、そもそもインフレ、デフレが何かよくわかっていないという方も

理解できるようにわかりやすく解説させて頂きます。

インフレ、デフレの仕組みは経済を理解するために欠かせない知識です。

ぜひこの機会に学んでおきましょう!

動画では10分でわかりやすく解説!

Contents

インフレとは何?どういう状態?

まずインフレとはどういう状態かをみていきましょう。

インフレというのはモノやサービスの値段が上がること。(=お金の価値が下がること)

例えば。

年間2%のインフレになると100万円の車が、1年後に102万円になるという状態です。

”お金の価値が下がる”というのをこのケースに当てはめると

今100万円で買える車が来年は同じ値段で買うことができなくなります。

だから、実質的にお金の価値が2%減ったのと同じこと、というわけです。

日本は2%のインフレ率が目標

なお、日本の政策目標として2012年頃から2%のインフレ率を目標にしています。

インフレだとこのように風に考える人が増えます。

それは「来年も値上がりするだろうから、今のうちに買っておいた方が安そうだよな〜!」

つまり、需要の喚起に繋がるので、経済が盛り上がりやすくなるというわけです。

インフレになる要因

では、どうしたらインフレ状態になるのでしょうか?

これは厳密にはわかっていないのですが

「需給バランスの崩れからくるパターン」

「通貨の価値が下がって輸入品が高くなるパターン」などで

インフレになるのではないかと言われています。

今回は、一番わかりやすい「需給バランスの崩れからくるパターン」でご説明をさせて頂きます。

これは「欲しい人が多いけど、ものが少ない」という状態です。

例えば100万年の車があったとして、欲しい人が多い場合は100万円だとすぐに完売になります。

完売しても生産がなかなか追いつかないという状況であれば

「俺は110万円でも買うよ!」という人が現れます。

その状況を見て企業は「110万円で売れるなら今までよりも儲かるじゃないか!急いで生産するぞー!」となるわけです。

急いで生産しても、すぐに売れてしまうと今度は「私は120万円も買うわよ!」という人も現れます。

120万円で売れると企業はさらに儲かるわけですから、とにかく急いで車を作ります。

今までよりも早くかつたくさんの車を作りたいので、そのためにもっと人を雇いたいわけです。

だから車会社は競って人を採用するようになります。

「うちは月額30万の給料出すよ!」と言えば別の会社は「いやいや、うちは40万プラス出来高だよ!」

という感じで採用を行い、従業員を増やしていきます。従業員を増やすそれでも120万の車が売れてしまう状況であれば、今度は130万円で買う人が現れる・・・

と、このようにしてモノの値段がどんどんと上がっていくわけです。

これがインフレになるメカニズムです。

デフレになる原因

先ほどのインフレ状態が続いていたとしても

どこかで状況が反転する瞬間が訪れます。

それは…

「車ってこの前まで100万円だったのに、いま130万円もするんだ。それなら別に車はいらないかな。」

という人たちです。この瞬間から今度は「デフレ」が始まります。

130万円で売るためにたくさん車を作ったのにもかかわらず、売れ行きが悪くなってきます。

売れ残る車も出てくるでしょう。

そこで車会社は「いや〜従業員もたくさん雇ったのに最近売れなくなってきたな〜ちょっと値下げしてみるか。」となり

車が120万円で売られるようになります。

そうすると、ちょっと売れ行きは良くなったけど、今までみたいには売れていないという状況が想像できますね。

だから、さらに値段を安くしようと今度は110万円で売りに出します。

車に興味のある人は「110万円なら買っても良いんだけど、最近値下がりしてきてるし100万になるまでもうすこし待つか〜」となります。

車会社は100万円で車を売る必要が出てきたというわけです。

デフレのメリット・デメリット

買う側にとってはモノを安く買えるというメリットがあります。

だから、一見するとメリットが大きそうな気がしますよね。

しかし、問題があるのです。

車会社は130万円でも売れると想定して車を製造している上に従業員も増やしていますから

それを100万円で売るとなると利益が減ることになります。

そこで給料を下げたり、従業員を減らしたりする対策がとなってくるのです。

もちろん車会社で働いている人たちは給料が減ったり

リストラされる可能性があるということで、

買い物をするとき値段にはかなりシビアになるわけです。

その上、「しばらくすると値段下がるだろうから、もう少し待ってみようか」となり

ものはより売れなくなっていく・・・という状況に陥いることでデフレになるというわけです。

この状況のことをデフレスパイラルと言います。

日本はここしばらくこのデフレ状態にあります。

ハイパーインフレとは何かをわかりやすく

ここまでの説明なら「ずーっとインフレが続いた方が良いじゃないの?」と思う方も多いのではないのでしょうか。

でも、インフレも行きすぎると悪影響が出てきます。

インフレが行きすぎた状態のことを「ハイパーインフレ」と言います。

ここからはそのハイパーインフレになると、どのような状態になるのか?ということをご説明させて頂きます。

ハイパーインフレの定義

アメリカの経済学者の定義では「インフレ率が月50%を超えること」とされています。

これは1年で物価が約130倍になるという状態のことです。

他にも、国際会計基準の定義というものもあります。

これは「3年間で累積100%以上の物価上昇」と言われています。

いずれも物価が激しく上がることをイメージしてもらえれば間違いではありません。

 

1年で物価が100倍以上というのはなかなか現実味が湧かないと思いますが

例えるなら、今100円のおにぎりが来年10,000円になるということです。

¥10,000

だからインフレでお金の価値が下がるというのは

1,000万円の貯金があったとしても、その価値は実質10万円になるということです。

ここでよくわからなくなる方もいらっしゃるかもしれないので

これがどういうことか具体的にすると

1000万円あれば今は100円のおにぎりを10万個買うことができるのに

来年になると1000万円で買えるおにぎりは100個だけになるということです。

つまり、ハイパーインフレになるとたくさんの貯金をしていても

勝手にその価値が激減するという状況になるのです。

これは恐ろしいですよね。

頑張って貯金した1000万円でも、できることはおにぎり100個を買うだけですからね。

ハイパーインフレの歴史

そんなハイパーインフレ は実際に世界中で発生した歴史があります。

フランス、アメリカ、ロシアといった大国でもハイパーインフレとなった過去があります。

中でもドイツの事例が有名です。

戦争の借金などでお金が不足したことで戦後に紙幣を大量印刷したことが原因と言われていますが

1918年から1923年までの約5年間で物価が1兆倍になるという、天文学的な数字のインフレが起きました。

お金の価値がどんどんと落ちていくわけです。

飲み屋さんに入ってビールを注文するのにトランク一杯分の札束が必要で、

飲み終わる頃にはトランク二杯分の値段になってしまう。

だから、お店に入ったときに一気にまとめて注文しないと損をしてしまうというような逸話があったり

ハイパーインフレ トランク リヤカー いっぱいの札束

ランチを食べにいくにも5キロくらいの札束が必要になったということもあったそうです。

ハイパーインフレ 5キロの札束でランチ

最終的にはお金の価値が下がりすぎて、暖炉の火をつけるときに

薪の代わりにお札を使っていたなんていう状況にまで陥りました。

ハイパーインフレ 札束を薪代わりにする

これは100年くらい前の話なのでちょっと信じられないよという方もいらっしゃるかもしれませんが、

2000年代になってからも実はハイパーインフレは発生しています。

最近起きたハイパーインフレ

ジンバブエ ハイパーインフレジンバブエでは2000-2007年の7年間で物価は650万倍に上昇しました。

これは100円のおにぎりが6億5,000万円になったということです。もう意味不明ですね。

 

直近では2016年にベネズエラではインフレ率700%になりました。

お金を持っていてもその価値がどんどんと無くなっていきますから何かしらのモノに変えておきたいと思うわけです。

だから、どんな商品でもすぐに売れていきます。

現金を持っているよりもトイレットペーパーとか水とかとにかくモノに換えて価値の目減りを避けようとします。

その結果、国中でモノ不足になり、生活必需品を求めて争いとか犯罪も起きるわけです。

ベネズエラ ハイパーインフレ争い

それゆえ経済と治安は大混乱で、多くの国民が国外へ流出しているという状況です。

日本のハイパーインフレの歴史

実は日本でも戦後には強烈なインフレに陥っています。

日本銀行の調査によれば、1934-1936年の物価は1954年つまり18年間で300倍になっています。

また、東京大学名誉教授の論文によれば1945年から1949年という4年間でも約70倍というインフレになったとされています。

日本がこれからハイパーインフレになる可能性は?

では、これから日本がハイパーインフレ になる可能性はあるのか?に関してです。

いま日本はデフレ状態です。

だから今すぐいきなりハイパーインフレになるということは正直考えづらいです。

ただ!

”なる可能性はある”と言えるのではないでしょうか。

これは「日本の財政をわかりやすく解説」という記事でもお伝えしていますが

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もし日本の財政状態が悪いと評価され始め、通貨の信用が下がるような展開になると

強烈なインフレに傾くことがあってもおかしくはありません。

 

今回ご説明したように、実際にどこの国でも起こり得る現象というのは事実です。

実際にハイパーインフレにならなければそれに越したことはないですが

もしなった場合に、どのような準備をするべきか?どうやって自分の資産を守るのか?

そういうことを考えることが大切なのではないでしょうか。

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ということで今回は以上となります(^^)

〜日本大恐慌時代の一般市民投資戦略〜

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いま、世界は大転換期。
これから日本はどうなるのか?

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