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原油価格はどう決まるの?暴落で株価や経済への影響は?わかりやすく解説。最後に相場の見通しがどうなるかの考察。

原油と聞くとどのようなイメージを持つでしょうか?

中東とか、オイルマネーとか、アラブの大富豪みたいなことを想像する方も多いのではないでしょうか。

実は原油というのは経済や投資を考える上では欠かすことのできない重要なキーワードになります。

実際、原油の価格によって世界情勢や株価が大きく変動するほどであります。

この記事を最後までお読みいただければ、原油とは何かを理解することができるので

同じ経済ニュースを見たとしても理解ができようになりますし、投資活動などの役にも立つことも間違いありません。

ということで「原油とは何か?」早速みていきましょう!

動画では8分で、わかりやすく解説しています!

Contents

原油とは何か?

原油は海の中にいる小さな生物プランクトンなどの死骸が

地下で長い年月をかけて変化したことでできたものだと言われています。

だから原油は地下深くにできる油田から採掘する必要があります。

採掘方法として陸上から掘る方法もあるし海上から掘る方法もあります。

この採掘した原油を蒸留して分解することで

ガスやガソリンになったり、ストーブで使う石油になったりします。

つまりわかりやすくいうと

「原油」とは油田から産出された加工前の状態で

「石油」とは原油を精製して製品として加工されたものということです。

生産量が多い国はどこ?

原油の世界生産量ランキングを記載します。

原油生産量ランキング

1位アメリカ、2位サウジアラビア 、3位ロシア

このトップ3でかなりの生産量となっており世界の原油事情を牛耳っていると言えるでしょう。

でもアメリカが原油生産量1位って意外ではないでしょうか?

原油というと中東のイメージが強いと思います。

実は、もともとサウジアラビアとロシアの2トップ体制でした。

それがここ数年でアメリカが一気に1位に躍り出ました。

ここ数年で一体何があったのでしょうか?

その理由「シェール革命」です。

これは新しい原油の採掘方法を見つけちゃいました〜というもので

地下に埋まっている岩を水圧で砕いて、その岩の中からオイルを取り出すという方法です。

シェール革命イメージ図

今までは原油が取れなかったところから新たに原油を取り出すことができるようになったのです。

この方法で採掘したオイルをシェールオイルと言い、この方法を見つけたアメリカだけは他の国と原油の採掘方法が違うのです。

原油の表記

ちなみに原油はバレルという表記で表されます。

バレルというのは樽(たる)のことで、1バレル=約159リットルです。

だから、1バレルが50ドルと言われたらあの樽で大体5500円くらいか〜とイメージすることができますね。

1バレル5,500円だとしたら、1リットルは35円くらいということになりますし

もし1バレルが2500円なら、1リットル15円ですよ。

加工前の状態の原油だとしても、なんだか感覚的には安い感じがしますよね。

原油価格はどのように決まるのか?

価格はもちろん需要と供給で決まります。

ただ、原油の場合は供給をコントロールしているという背景があります

OPECプラスという原油の産出国で「どれくらい採掘します〜?」談合することで、価格を調整しているのです。

最近の需給関係

最近ではコロナウイルスが蔓延したことで

”STAY HOME”が叫ばれていますから、車や飛行機などを使う機会が減りますよね。

だから、しばらくは石油の使用量が大きる減るだろうということでサウジアラビアが減産を提案しました。

「もっと量を減らすことで、価格を保とうぜ〜」という提案をしたわけです。

しかし、ロシアがそれを拒否しました。

ロシアと敵対関係にあるアメリカの企業が儲かることになるからという理由ですね。

本来であれば、まぁまぁ落ち着こうよと話し合いするわけですが

今度はサウジアラビアが増産を発表する展開となりました。

これによってロシアが従うようになると思っていたがそうでもない・・・?

というような混乱から受給バランスが崩れて、供給が過度になるぞという見込みから

原油価格が暴落したということがありました。

原油価格暴落の影響とは?

原油価格が暴落すると、どのような影響があるのでしょうか?

個人単位として考えれば

ガソリン代が安くなるというメリットがあります。

アメリカ、中国、インド、日本は原油使用量が多いですから恩恵を受けます。

日本はほぼ輸入ですからその分メリットは特に大きいです。

日本にも油田がある!

秋田県、新潟県、北海道でいまも採掘しています。

ただし自給率は1%未満となっており、99%を輸入に頼っているという状況です。

視点を変えて、国単位で見てみるとデメリットも大きいです。

アメリカはシェールオイル企業がたくさんありますから

原油価格が下がると、モロに業績に影響します。

実際にアメリカのホワイトペトロリアムというシェールオイルの中堅企業が経営破綻を発表しました。

ペトロリアム原油の価格下落に耐えられなくなったということです。

今後も立て続けにシェールオイル企業が倒産する、ということになれば産業や雇用に大きなダメージが出てきます。

つまり、アメリカ経済にとってマイナスになるということです。

アメリカ経済がダメージを受ければ、それにつられて日本もダメージを受けることになりますから、このあたりの動きには注意が必要です。

原油価格 今後の見通し

最後に、今後の見通しについてお伝えします。

今の原油価格は23ドルです。

この価格というのはWest Texas Intermediate「WTI原油先物」という指標をもとにお話しします。

この23ドルという価格では、アメリカもサウジアラビアもロシアも採掘コストに対して利益が出ない価格だと言われています。

大体ですが1バレル40〜50ドルくらいが各国の損益分岐点じゃないかと各経済誌などが分析しています。

つまりこの価格のまま放っておくことは、赤字を垂れ流し続けるということになります。

原油生産量トップ3の国が原油安を避けたい、もっと言えば「原油価格あがれー!」と思っているわけです。

実際に4月10日には産油国で再度話し合いがなされ、

もっと減産しようよ、生産を少なくしようよ、ということで話が決着しました。

 

ただ、現状としては原油を減産して供給を減らした以上に

コロナウイルスの影響による需要の減少が激しくなっており、原油価格が上昇しづらくなっています。

このまま1年、2年と今のような自粛状態が続くとなると、いくら生産量を減らしても、なかなか需要量が上がってこないという事になる可能性もあります。

逆に言えば、今の減産状態から、元の生活になり、今まで通りの需要量に戻れば、価格は上昇していくということになります。

損益分岐点の50ドル、さらにはもっと上昇してもおかしくはないでしょう。

ただ、先行き不透明ですから投資をされる場合には

上がっても、下がっても対応できるように資金管理をしっかりと行った投資をするのが望ましいと思います。

というわけで、原油の解説については以上です(^^)

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