Googlemapの仕様変更が話題になっています。
ゼンリンとの提携を解消した影響からか、あのGooglemapに多くのツッコミどころが出てきています。
ネット上での反響を抜粋します。
GoogleMap見てる限りだと
Zenrinがマップから脱退したのか
・バス停のデータが消えた
・私道がルートに(警告はあるが)出てくる
・過疎地域の地形図が壊滅的で踏破してる人が居ない限り道が出てこ無くなる
・運休区間の路線が廃線扱いを受けてる都市部以外は改悪や欠落が目立つね…
— ki873 (@ki873) March 21, 2019
ヤフーマップと、ゼンリンとの契約を解除したGoogle Mapsを比較。細い道が驚くほどごっそり省略されている。(場所は兵庫県たつの市室津) pic.twitter.com/MCIbO5Zsa1
— 有本怜生 (@leo_arimoto) March 21, 2019
Google Mapが独自データに切り替えた話,前以上にエクストリームな経路案内をしてくることが判明して震えてる
これインターじゃなくて管理用の側道やぞ pic.twitter.com/QULwCLaaox— すほーい! (@Fragmented_nt) March 22, 2019
など多くの声があがっているので、ユーザーからはネガティブな印象です。
私もGooglemapのヘビーユーザーなので今後の影響が心配です。
そして。
ユーザー以外で被害を受けたといえるのはGooglemapにデータを提供していた「ゼンリン(9474)」でしょう。
Googlemapからゼンリンの社名が消えた影響から、3月22日のゼンリン株は一時前営業日比17%安の2457円と5営業日ぶりに急反落し2カ月ぶりの安値を付けました。
終値は2473円で、下落率16%は東京証券取引所に上場した1996年以降で最大となっています。
動画でも解説中
Contents
ゼンリンとはどういう会社?
そもそもゼンリンとはどういう会社なのかみていきましょう。
会社概要
株式会社ゼンリン (ZENRIN CO., LTD.)
創業 1948年(昭和23年)4月
設立 1961年(昭和36年)4月
資本金 65億5,764万円
代表取締役 社長 :髙山善司
上場証券取引所東京(第一部)、福岡
従業員数1,938名(2018年3月31日現在)
なお、2018年度の売上高は613億円となっております。
事業内容
『知・時空間情報』の基盤となる各種情報を収集、管理し、住宅地図帳などの各種地図、地図データベース、コンテンツとして提供。
また、『知・時空間情報』に付帯、関連するソフトウェアの開発・サービスの提供。
住所などの細かな情報を地図データとしてまとめる会社ということですね。
日本の地図に関わる細かなデータをGooglemapにも提供していたということになりますね。
ビジネススキームとしては、そのデータの利用料をGooglemapから受け取っていたということですね。
Googlemapとの提携解消による影響
ゼンリンの売上高の構成比率をみてみましょう。
売上のうち81.5%は「地図データベース関連事業」ですから、これが商売の柱ということですね。
その中の大取引先としてGoogleがいるわけです。Googlemapの利用者は4,000万人弱いますから、かなり大きな商売相手であることは間違いありません。
まだ両社ともに正式なコメントは出していませんが、この規模の取引が無くなったと想定するとゼンリンの株価暴落も納得ができます。
ゼンリンの株価チャート
こちらがゼンリンのチャートです。
始値2,886円から、終値2,473円まで-413円ですから16%マイナスのインパクトは相当大きかったと感じるでしょう。
その一方。
月足のチャートをみてみましょう。
縦の赤線はゼンリンがGooglemapと提携開始した2005年7月です。
横の青線が現在の株価です。
Googlemapとの提携開始以降かなりの上昇トレンドで株価は暴騰していますね。一時は3,000円をタッチしています。
しかし、その後は世の中の不況もあいまって株価は長い間低迷していたということがわかるかと思います。500円を割るほどですからね。
こちらのチャートをみて何を感じるかは人それぞれかと思いますが…仮にGooglemapとの取引がゼロになったとして、株価はどこまで下がるのでしょうか?
ゼンリン株を持っていて焦っている人は、一度冷静になって考えてみた上で、トレードすることをオススメ致します。
mapboxとは何か?
mapboxは地図を簡単に加工できるツールや、企業のウェブサイトなどに地図を組み込むためのサービスを提供しているアメリカの企業です。
参考(外部リンク):グーグルに宣戦布告の地図サービス「Mapbox」を創った男
ゼンリンとの提携を発表
mapbox社が、ゼンリンから地図データ提供を受けると発表しました。
ゼンリンとの協業で「小都市や地方の小さな道まで、詳細な情報を英語と日本語の両方で提供できる」というコメントを出しています。
このことから日本市場を狙っていると考えることができますね。
株価にも影響が?
mapboxは、あの孫正義氏のソフトバンクビジョンファンドが出資した企業でもあります。
話題性と将来性のある企業ですから、そこと協業開始ということになればゼンリンにとっても良いニュースとなります。
また一般的には馴染みのない企業ではありますが、将来性などを加味するとゼンリンの株価にもポジティブな影響を与える可能性は高いと言えるでしょう。
まとめ
一般投資家からみるとゼンリンとGooglemapの提携解消というのはかなりの不安材料としてインパクトが大きかったと思います。
しかし、有望企業であるmapboxとの協業開始という発表もあり、個人的には株価は早々に持ち直すのではないかと思っております。
そして、中期的な目線で考えると「Google VS mapbox」という地図対決からも目が離せなくなりました。
その他の地図サービスとしてYahoo!地図、bing、NAVITAMEなど様々なサービスがありますから…ユーザーとしてはどれを使うのか迷うことになりそうですね。
投資家としては状況の把握と分析をしていく次第です。それでは今回の記事は以上となります(^^)