コロナウイルスが猛威をふるっています。
外出時のマスク着用とこまめな手洗いを意識して感染を防いでいきましょう。
とにかく感染力が強いのが厄介で2020年4月現在のニュースでも
「世界保健機関(WHO)が~・・・」という見出しが出ているほどです。
…ん?
ところで世界保健機関(WHO)は一体なにをしている機関なんでしょうか?
意外と知らないですよね。
とうことで今回は知っているようで知らない
世界保健機関(WHO)とは何かを簡単にわかりやすく解説します。
それではどうぞ!
Contents
世界保健機関(WHO) を調べてみた
世界保健機関(WHO)をWikipediaで調べてみると下記のような概要となっています。
世界保健機関(せかいほけんきかん、英: World Health Organization、仏: Organisation mondiale de la santé、略称: WHO、OMS)は、人間の健康を基本的人権の一つと捉え、その達成を目的として設立された国際連合の専門機関(国際連合機関)である。
1948年設立。本部はスイス・ジュネーヴ。設立日である4月7日は、世界保健デーになっている。
WHOでは「健康」を「身体的、精神的、社会的に完全な良好な状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことではない」(WHO憲章前文)と定義しており、非常に広範な目標を掲げている。そのために、病気の撲滅のための研究、適正な医療・医薬品の普及だけでなく、基本的人間要請 (basic human needs, BHN) の達成や健康的なライフスタイルの推進にも力を入れている。また組織の肥大化と共に企業との癒着構造が問題として指摘されている。[要出典]
略称は英語式(WHO)と仏語式、スペイン語式、ポルトガル語式(OMS)で異なる。日本をはじめ多くの国では英語略称のWHO(ダブリュー・エイチ・オー)が多用される。
Wikipediaより引用
…やっぱりちょっとややこしい!
僕もそれくらいの感想しか出てきませんでした。笑
なので、もう少し簡単な説明をするために情報をまとめました。
世界保健機関(WHO) 簡単にわかりやすく
世界保健機関(WHO)を 簡単にわかりやすくお伝えしていきます。
厚生労働省のホームページに下記のような記載がありました。
「全世界の人々の健康を守るため、広範な活動を行っています。」
これで少しわかりやすくなりましたよね。
つまり世界中の人の健康のために色々やってんのよ~!ということです。
では改めてどんな組織なのか?
また、広範な活動(=色々やってんのよ~!)とはどういうものか見ていきましょう!
世界保健機関(WHO) 組織の概要
世界保健機関(せかいほけんきかん)を英語でWorld Health Organizationと言います。
その頭文字をとってWHO(ダブリューエイチオー)と呼ばれています。
本部はスイスのジュネーヴにあります。
1948年に設立され、日本は1951年に加盟しています。
事務局長はテドロス・アダノム。元エチオピア外務大臣です。
2017年7月1日就任~任期は2022年6月30日までとなっています。
世界保健デーとは?
世界保健機関(WHO)の設立日である4月7日を記念して「世界保健デー」を設けています。
健康に関して毎年テーマを定めて世界的な取り組みやイベントを開催をしています。
2019年~現在のテーマは「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ:誰もがどこでも保健医療を受けられる社会に」
世界保健機関(WHO) の目的とは?
世界保健機関憲章というものを定め、目的を定義しています。
すべての人民が可能な最高の健康水準に到達することにある。
その上で次のようにも記載があります。
健康とは、完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、單に疾病又は病弱
の存在しないことではない。
つまり、病気の撲滅のための研究、適正な医療・医薬品の普及だけでなく
健康的なライフスタイルの推進までも活動範囲ということになります。
だからこそ「色々やってんのよ~!」の範囲はとても広いのです。
世界保健機関(WHO) の活動とは?
世界保健機関(WHO) の活動にはどのようなものがあるのでしょうか?
任務として定められているので下記に記載します。(長いです…。)
(a) 国際保健事業の指導的且つ調整的機関として行動すること。
(b) 国際連合、専門機関、政府保健行政機関、専門的団体及び適当と思われる他の
機関との効果的な協力を樹立し、及び維持すること。
(c) 要請に応じ保健事業の強化について各国政府を援助すること。
(d) 各国政府の要請又は受諾があったときは、適当な技術的援助及び緊急の際には必要な助力を與えること。
(e) 国際連合の要請があったときは、信託統治地域の人民のような特殊の集団に対して、保健上の役務及び便益を提供し、又はこれらを提供することを援助すること。
(f) 疫学的及び統計的事業を含む必要とされる行政的及び技術的事業を開設し、及び維持すること。
(g) 伝染病、風土病及び他の疾病の撲滅事業を奨励し、及び促進すること。
(h) 必要な場合には他の専門機関と協力して、不慮の傷害の防止に努めること。
(i) 必要な場合には他の専門機関と協力して、栄養、住宅、衛生、レクリエイション、経済上又は労働上の条件及び他の環境衛生状態の改善を促進すること。
(j) 健康増進に貢献する科学的及び専門的団体相互間の協力を促進すること。
(k) 国際的保健事項に関して、條約、協定及び規則を提案し、並びに勧告を行うこと並びにこれらの條約、協定、規則及び勧告がこの機関に與え且つこの機関の目的に合致する義務を遂行すること。
(l) 母子の健康と福祉を増進し、変化する全般的環境の中で調和して生活する能力を育成すること。
(m) 精神的健康の分野における活動、特に人間相互間の調和に影響する活動を育成
すること。
(n) 保健の分野における研究を促進し、及び指導すること。
(o) 保健及び医療の職業並びにこれに関係のある職業における教育及び訓練の基準
の改善を促進すること。
(p) 必要な場合には他の専門機関と協力して、病院業務及び社会保障を含む予防及
び治療の見地からの公衆衛生及び医療に関する行政的及び社会的技術を研究し、及び報
告すること。
(q) 保健の分野において情報、助言及び援助を提供すること。
(r) すべての人民の間に保健事項に関して精通した世論を発展させるように援助す
ること。
(s) 疾病、死因及び公衆衛生業務に関する国際用語表を必要に応じて作成し、及び
改正すること。
(t) 必要に応じて診断方法を標準化すること。
(u) 食品、生物学的製剤、薬学的製剤及び類似の製品に関する国際的基準を発展さ
せ、確立し、及び向上させること。
(v) 一般に、この機関の目的を達成するために必要なすべての行動を執ること。
具体的な活動については下記からも参照できます。海外サイトなので日本が不自然な部分もあります。
新型肺炎コロナウイルスのケースで解説
これだけだとイメージがつかみづらいと思います。
そこで、今回の新型肺炎コロナウイルスの感染が拡大したときに
世界保健機関(WHO)がどのような働きをしているのかを例えに説明します。
テドロス・アダノム事務局長は中国へ
緊急事態を宣言する数日前に、事務局長自ら現地調査をしています。
サラリーマンの”現地調査”というと楽しい事が含まれていることも多々ありますが。笑
それとは比にならない大変さではないでしょうか…。
僕たちはテレビやネットなどで情報収集できるのは、こうやってリスクを取って行動してくれいてる人がいるということですね。
情報を整理
WHOが情報を整理します。
その上で世界に対して、同じ情報を発信します。
WHOがいなかったら外国の状況も個別に聞かないとわかりません。
そんなことをしていたら感染が拡大していってしまいますよね。
コントロールタワーとして機能しているわけです。
緊急事態宣言
今回の新型肺炎コロナウイルスについて感染が拡大するおそれがあるという理由で
「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」だと宣言しました。
これが緊急事態宣言と言われているものです。
それと同時に混乱する中国のサポートをしつつ、
医療システムがまだ脆弱な国へのケアも行っています。
世界保健機関WHOの緊急事態宣言は過去に5回出されています。
・2009年の豚インフルエンザ
・2014年のポリオ
・2019年のエボラ出血熱が感染拡大した際など。
日本との関係は?
日本と世界保健機関WHOはどのような関係なのでしょうか?
こちらもサクッとわかりやすく解説していきます。
日本はWHO加盟国
1951年5月に加盟しています。
領域としては主に厚生労働省と外務省が連携しています。
活動を詳しく知りたい人は下記からジャンプできます。
金銭的な協力
主要国がWHOへどれだけのお金を出しているかの割合をみてみましょう。
アメリカが圧倒的に多く、次いで近年伸びている中国、そして日本です。
また、WHOは緊急時対応基金(CFE)というものを集めています。
これはWHOの緊急時の活動資金ですね。こちらの表をご覧ください。
日本はドイツに次いで多額の支援を行っています。
これには各人の意見があると思いますが、日本の貢献度は高いということです。
日本は国連に多額のお金を拠出していますから、平和や健康という分野への支出というのはなかなかのものです。
(そもそも国連はアメリカが立ち上げたものなので、日本はそれに賛成するしかなかったという背景もありますが、こういった話はまた別の機会に。)
アメリカ、中国との関係
アメリカのトランプ大統領は「中国よりも多額の資金を拠出しているのに、WHOは中国寄りでアメリカに対して不公平だ」と批判しています。
テドロス事務局長が辞めない限りは、お金は出さないとまで言い出しています。
アメリカと中国は世界の覇権争いで対立している状態ですから、少しでも中国と親しくしていることが気になるわけです。
ちなみに中国は莫大な資金力を武器に、世界中で見方をつくろうと動いています。
中国は、”WHO事務局長選挙”でテドロス氏の選挙応援を手伝ったり、テドロス氏の出身国エチオピアやアフリカへの経済援助などを行っています。
そういった恩義があるからこそ、中国を裏切れないという気持ちがあることも否めないでしょう。
まとめ
世界的に流行するような病気(今回のコロナウイルス)が発生した時こそ、各国が協力しあって対処する必要があります。
しかし各国の政府や企業だけ解決しようとすると、どうしても利害関係が強くなってしまいます。
そういった時に世界保健機関(WHO)がある事で中立な立場として、情報の収集、整理、発信まで行ってくれるわけですね。
また、緊急時以外にも世界中の人々の健康のために活動してくれています。
そう言った組織があることを知っておくことも情報として必要なのではないでしょうか。
今回は以上です。