国債って聞くとなんか難しそうな感じがしますよね・・・
でも、ざっくりとでも理解しておけば「コロナウイルス対策で金融緩和!」というような
ニュースが理解できるようになります。
そういうニュースが理解できるようになると
これからの世の中がどうなるのか、自分の持っている資産がどういう影響を受けるのか
そういったことを考え、対策を取ることができるようになります。
それでは国債の仕組み、早速やっていきましょう!
動画では10分でわかりやすく解説しています!
Contents
国債の概要
毎年3月末に国の1年分の予算が決まります。
実は先日、予算成立がしましたよというニュースが流れています。
予算ですから
道路や橋をつくろうとか
子育て世代を支援しようとか
介護を手厚くするためとか
そういった「何にお金を使うべきか」を決めるているわけです。
何にお金を使うべきかを決めたら
「そのお金をどうやって手に入れるのか」も考えていくことになります。
まずは「税収」でやりくりしていく事を考えます。
わかりやすいところで言うと消費税でしょう。
物やサービスを購入するたびに
消費税として国にお金を渡しているのです。
だから消費税が上がると言うのは、
「何にお金を使うべきか」と言う予算に対して
税収が足りていないな〜という状態です。
道路や橋を作ったり、子育て世代を支援したり、介護を手厚くするためには
お金が足らなさそうだよね、もっとお金集めないとやばいよね、
と言う状態です。だから消費税が上がる、というわけなのです。
で、やるべきことがたくさんあるのに
消費税の増税などしても税収だけでお金が工面できない時に
登場するのが「国債」なのです。
国債をわかりやすく言うと
国債をわかりやすく簡単に言うと
政府が「お金返すから、貸してくーださい!」
と言うようなものです。
これ自体は悪いことではなくて
企業でも個人でも同じことをやっています。
例えば家を買う時のローンも同じ仕組みです。
いきなり数千万円も現金を用意することはできないけれど
「頑張って働いてお金返すから お金貨してくーださい」と言っているわけです。
この仕組みがあるからこそ
いますぐに数千万円と言う現金を用意しなくても
新しいお家や綺麗なマンションに住むことができるんです。
だから、借金(=国債)が悪いというわけではありません。
では、この国債の仕組みについてもう少しみていきましょう!
国債の仕組みをわかりやすく
まず、先ほどの話のように
政府が「お金貸してくーださい」となったら
今度は「貸してもいいよ。でも条件はどんな感じー?」
と言う人たちが現れます。
その代表格が銀行です。
(他にも証券会社、保険会社などの金融機関があります。)
政府が額面はこれで、金利はこれで、何年貸してください
と言う条件を出すと
銀行などが「入札」を行います。オークションです。
政府にとって良い条件を示してくれた銀行からお金を借りるわけです。
その証拠として渡すのが「国債」というわけです。
入札する側の銀行は考えます。
「国にお金を貸す条件はこんな感じなのねー。
じゃああの会社に投資したほうが良いかもなー。
あ、でも、会社よりも国に貸した方が
安全そうだしな、よしこの条件で入札しよ!」
となるわけです。
この時に大切な考え方が
額面に対していくらで入札するかと言う部分です。
例えば!
政府から
「100万円を1%の利息で1年貸してください国債」
と言う条件の国債が出てきたとします。
そのまま読めば1年後に1万円が手に入るという物です。
それに対して
U銀行は100万円で買いたい
S銀行は99万円で買いたい
M銀行は101万円で買いたい
というように入札を行っていくのです。
U銀行のように
100万円で「100万円を1%の利息で1年貸してください国債」を買った場合
1年後に101万円がもらえるわけです。
その権利を100万円で買ったわけですから
利回りは1%ということになります。
S銀行のように
99万円で「100万円を1%の利息で1年貸してください国債」を買うことができたら
1年後に101万円をもらえるわけです。
その権利を99万円で買うことができたから
100万円で買うよりもお得ですよね。
利回りは大体2%になるわけです。
M銀行のように
101万円で「100万円を1%の利息で1年貸してください国債」を買った場合は
同じように1年後に101万円がもらえるわけです。
そうなると利回りは0%になります。
なので、このように
国債は額面に対して”いくらで落札できるかによって利回りが決まる”という
仕組みを理解できていることがとても大切なのです。
この3つの銀行の入札の場合は
M銀行の101万円が選ばれるでしょうけど
利回り0%で購入する可能性は低いので
今回は100万円のU銀行が手に入れることができたとしましょう。
で、銀行が持っている国債を今度は
「日本銀行」通称「日銀」が買い取ります。
1年後に101万円というよりも
良い条件で買い取ってくれるなら売りたいですよね。
日銀はお金を印刷することができる唯一の銀行です。
だから国債を買い取りたいときはお金を印刷して
その国債を買い取ることができます。
良い条件であればU銀行は日銀に国債を売ります。
日銀は100万円分のお金を印刷してU銀行に振り込みます。
ということで、U銀行は現金の100万円が手に入りました。
ここまでの一連の流れを整理
政府の「お金貸してくーださい」に対して
U銀行が「この条件なら良いよ」ということで入札して国債を買いました。
その銀行が買った国債を、今度は日銀が買いとります。
日銀は自分でお金を印刷して、U銀行に振り込みます。
そうするとU銀行の手元に現金が渡ってきました。
つまり”世の中にお金が増えた”ということになるのです。
金融緩和政策をわかりやすく解説
ここまでの話が理解できれば
実は「金融緩和政策」がどいういうものかを理解することができます。
ニュースでよく取り上げられているこの「金融緩和」がいったいどいういう物なのか?
この流れでざっくりと理解しておきましょう!
金融緩和政策の仕組み
先ほどの話の通り
銀行は政府から買った国債を 手元にとっておいたり、日銀に売ったりしています。
金融緩和政策がはじまると
日銀が「銀行さーん!国債を良い条件でたくさん買い取るよ!この機会にどう?」
となります。
銀行側も「え、そんなに良い条件なら売るよ」となるわけです。
これをたくさん、大きな金額でやることで
日銀は大量のお金を印刷することになります。
銀行側には現金がたくさんある、という状態になります。
つまり”世の中にお金がたくさんある状態”です。
政府としても
これだけ現金があるんだから
銀行さんはどんどん貸し出してね〜
ということで
今の住宅ローンなどが低金利になるという仕組みです。
金利が低ければ
家を買ってみようかなとか、車を買ってみようかなといった
個人にとって大きな買い物をする可能性が高まりますし、
会社規模で考えても、この条件でお金が借りれるなら
新しい設備でも導入してみようかなーとなるわけです。
新しい工場ができれば、そこでまた人を雇ったりしますから
経済が回るということになります。
つまり金融緩和政策とは
世の中のお金の量を増やすことで経済を回りやすくする
というものなのです。
このように国債を買い入れる政策は「量的緩和政策」と呼ばれています。
逆にお金の量を減らすことで
銀行はなかなかお金を貸し出さなくなりますから
経済を引き締めることができるというわけです。
経済不安で国債が売られている
最後にここ数週間の話をします。
コロナウイルスの影響で経済が大混乱しました。
感染の影響で中小企業や飲食店の経営が立ち行かなくなるといった状況で
とにかく今持っている資産を現金にしないと
会社が潰れてしまう〜とか、生活ができなくなってしまう〜ということで
比較的安全と言われている国債がたくさん売られました。
このままでは国債の価格が暴落して金利が上がり
経済悪化に拍車がかかってしまうということで
アメリカやイギリス、EUなどでも同じように量的緩和政策がとられることとなりました。
国債を自ら買い支えることで、国債の価格暴落を回避しようとしているという状況です。
日本の金融緩和政策
日本はもともとかなり大規模な金融緩和政策がとられていたことで
これ以上、日銀が国債を買っても大丈夫なのか?
自分の国の借金を、自分の国のお金を印刷して、自分で買うって大丈夫なのか?
そんなことが問題視されるようになっています。
さらに、日銀は国債の他にも、株やETF、不動産といった価格変動の激しい商品なども購入しています。
それがコロナショックで一気に暴落したもんだから、日銀の財務状況が怪しいのではないか?
ということが囁かれるようになってきた、というのが今の状況です。
こういった影響が国債、つまり利回りにも影響を与えるのではないかという懸念もあります。
例えば、金利が上がると住宅ローンの金利も上がってしまう可能性もあるかもしれませんよ?
そうなると他人事ではなかったりしますよね。
まとめ
経済が大混乱する中において「国債」の仕組みを理解しておくことは必修科目のようなものです。
なぜなら説明したように「金利」と密接な関係があるからです。
この国債、金利、経済の仕組みは何度も読み返して覚えておくことを推奨します。
日々学ぶことで、混乱の世の中を生き抜いていきましょう!